【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
朝日が昇ってくる。夜明けだ。
それは戦いに終止符が打たれた印のように思えた。
怠惰だよこれは、と水無月に言われながらも鬼の身体能力で跳躍して移動しながら、露李は目を伏せた。
いつか、自分も自我を失ってしまうのだろうか。
怒りと憎しみで一度、我を忘れた。
それに──私は、一族殺し。
両親は死んだんじゃない。
親戚たちは死んだんじゃない。
私が、殺したんだ。
皆が優しいから、今が幸せだから、忘れそうになる。
私は─────危険だ。
自分で出した結論に、露李は唇を噛んだ。
「露李ー!何かいっぱい人がいるんだけどよー!」
下から木材を沢山抱えた結が叫んでいる。
「みんなっ、みんな、大丈夫でしたー!」
「下りてこーい!」
笑顔で答える。
─私が皆を守る。
それだけは曲げないと、密かに誓った露李だった。
明るくなってきた空。
風花が、ちらちらと降ってきていた。