恋が都合よく落ちてるわけない
真相
「岡崎貴司と申します」

私は、
須田さんに役員室からの内線で、
よびだされて、朝から会議室の中にいた。

私の目の前に知らない男性がいた。

「株式会社 岡崎システム開発…」


「知ってるだろ?
うちのシステム開発した会社」


「もちろん」


横から口を出したのは、

須田さんで、私がなぜ、

ここに呼び出されたのか、

まだ説明はされてない。



「初めまして、保守の人間は、
いつも大島さんにお世話になってますよ」



そういうと、ほんの少し笑みが広がる。


すらっとして、落ち着いてて、
メガネ掛けてて、優しい表情。


「いつまで見てる。話聞いてんのか?」

須田さんが、
私の脇腹をペンで突っつく。


「痛っ!!」

私は、いきなり現実に引き戻される。


「仁志、ここからは、
僕が説明するから、お前帰っていいぞ」
岡崎さんは、笑っている。



「はあっ?」
思わず声が出た。仁志?


なに、それ。


「あっ、こいつ俺の友人だから。
こんなとこで、二人にさせるか…」
と須田さんが意味不明なことを言う。



「須田さんこそ、専門外でしょ、
居なくてもいいですから。
どうぞ、お帰り下さい」
と私もやり返した。



そういうと、
岡崎さんは声をあげて笑った。



「説明はじめるよ」



「ちょっとその前に…

明日の会議だけど、君のID使われたこと黙っていてほしいんだ」
と、須田さん。


「はあ…何でですか?」


「どうしても。それ、機密事項だから」




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