恋が都合よく落ちてるわけない
後輩
「やっと、付き合うことになったんだ」
朝いちに実加に報告する。

「驚かないの?」

「須田さんに、千鶴がいつ落ちるかと思って見てただけ」

「私、そんなに須田さんに傾いてたかな?」

「う~ん、千鶴、
岡崎さんっていってたから、やっぱり岡崎さんが好きだった?」


「仁志さんに連れていかれて、
岡崎さんの奥さんに会った」
その後のことは、黙っておく。



「何、それ…岡崎さん、
結婚してたんだ」
実加が目を丸くする。



「実加もしらなかった?」




「だって、岡崎さん、
うちの会社じゃないし。

でも、やるなあ。ナイト、
他の男に傾いてた気持ちを
いっきに自分の所へ持ってくるんだもの」



「そうなのかな」


「当たり前じゃない!!
世の中策略に満ちてんのよ」


「うん…」



「良かったじゃないの」



「そうね」




「あっ、そうだ、今日から
一人そっちに配属になるけど、
場所とかものとか用意した?」


「聞いて無いけど…」



「下田課長は知ってるよ」



「ありがとう、実加。
すぐに確認してくる」



私は、その足で下田課長の所に向かう。



「あの、課長、配属の件…」



「ああ、聞いてるよ」
と無邪気に答える課長。



「あの、話がきた時点で
私に教えてくどさいね。
準備とかありますから」



「ごめん、ごめん」



「新人ですか?」



「いや。大島さんと同じくらいかなあ」



「名簿はいいですから、
とりあええず、
机の確保お願いいたします」





そして、彼はやってきた。





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