体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
第三章 トラブルの始まり
車を運転する人以外は缶ビールで乾杯し、肉も野菜も魚介も適当にガンガン鉄板にのせ、ガンガン焼いてガンガン食べた。

総年齢450歳。

恥も遠慮もなく、男女共に、みな飲んで食べた。

バーベキューはこの勢いが大切なのである。

ちまちまと食材を焼き、この肉、私が食べてもいいかしら、なんて考えながら食べるバーベキューはおいしくない。

約4キロ分の肉も、しめの焼きそばも、ワイワイ騒ぎながらすべて食べつくし、体に取り入れた脂肪が太陽にあぶりだされて皮膚をこがすんじゃないかと思うくらい、皆よく食べた。

満腹感に満たされ、皆がまったりしているなかで、美弥は持ってきたビーサンに履き替え、川に走って行った。

透明度の高い水が、ごつごつとした大きな石の間を涼しげに流れていく。

足を入れると思った以上に冷たくて、上から照りつける太陽の熱さを緩和する。

そのまま浅瀬のなかをじゃぶじゃぶ歩いてみた。

と、急に水底が深くなり、美弥は膝の上まで水にずぼっと浸かった。
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