Number10.....?
オレのコレカラ
「おいっ!テレビがお前を待ってるぜ?」
キャプテンに呼ばれて、我に返るとピッチを後にした。

「今日の勝因は?」
沢山のマイクが向けられる。俺は試合を振り返りながら答えて行く。
インタビューにも疲れてきて、「質問はあと1つです!」と後ろからチームマネージャーが言った。
質問をしていった報道陣は後ろへ下がり、若い女性のリポーターが前へ出る。
「この度は世界一おめでとうございます!今年からユニフォームナンバーを変えられましたが、何か意味があっての事でしょうか?私は高校生の時から選手を見てきましたが、ナンバーが変わったのは初めてですよね?」
女性はマイクをずずいっと前へ出すと、俺の返答を待つ。
「…この19と言うのは、実は自分をずっと支えてくれていた友人からナンバーを借りたんです。自分自身が初心…そして、友人やチームメイト、サポーターが付いていると言う事を忘れないように…。だから、突き上げるパフォーマンスも今年から始めました。」
女性はにこりと笑うと、
「素敵なお答えありがとうございました。ゆっくりお休み下さい。最後に世界一おめでとうございます!」
と手を差し出して来たので、俺も微笑み返しがっちりと握手を交わした。



その1週間後、俺の周りは慌ただしく動き回っていたが、シーズンオフの俺には関係の無い事だった。
静かに、時間が流れるのをただ感じていた。
俺の部屋には、19番のユニフォームと世界一のメダル。
そして、2人の笑顔がただ輝いていた時の写真が誇らしげに飾られている。







―――――――完――――――
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