恋した責任、取ってください。
3.私たち、急いて事を仕損じました
 
それから間もなくして、恵麻さんの命により、私は御用聞きという名のパシリから解放された代わりに、なんと彼女の直属の部下となった。

バスケのプロリーグは10月から翌年5月までの期間のため、今はシーズンオフ中ということになるわけだけど、そのオフの期間に開催しているブルスタ関連のイベントを、彼女の下に付いて勉強していくことになったのだった。


ちなみに、10月から翌年4月いっぱいまでが、全国に散らばるチームをざっくりと東地区と西地区に分けたそれぞれのカンファレンス内で総当たり戦を繰り返すレギュラーシーズン。

その後プレーオフに入り、2つのカンファレンス上位3チームと、ワイルドカードと呼ばれるそれ以外のチームの上位2チームの計8チームで2戦先勝方式のクォーターファイナルなるものを行い、勝ち上がった4チームで、同じく2戦先勝方式のセミファイナルを戦うそうだ。

ファイナルは、セミファイナル勝者による5戦3勝方式となっており、5月の頭にそのシーズンの覇者が決まるというのが、ブルスタが所属しているプロリーグの流れらしい。


『BLUE STAR』は東地区に属していて、レギュラーシーズンは7チームで総当たり戦を繰り返すそうだけど、プレーオフ進出を目指しているものの3位以内に入るのは容易なことではないらしく、また、ワイルドカードでも5位と、クォーターファイナルへの道も遠いのが現状。

それでも、ブルスタは他チームに比べてイケメン率がめっぽう高いと評判で、観客動員数やサポーターの数では毎年覇者なんだとか……。


「まったく、バスケ以外で注目されるなんて、この上なく面白くないわね。ウチは顔面で選手を選んでるんじゃないってのよ」

「はは……」


恵麻さんの手からペイッと放られたバスケ雑誌を閉じて、とりあえず笑ってみる。

ご立腹です、恵麻さん……。
 
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