嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?
★番外編★ 遅く起きた甘い朝は。



スルスルと肌がシーツに擦れ、甘い良い香りが漂ってくる。
柑橘系?
香水にしては甘すぎるその匂いに思わず鼻をくんくんと近づけると、優しく胸を引き寄せられた。

優しく髪を撫でられて、うっとりと瞳を閉じると、瞼と睫毛に口づけを落とされ、シーツを肩まで被せてくれた。

コロコロと小さな音がして、薄く眼を開けると、すぐ目の前にハニ―ブラウンのちょっと垂れ目な瞳と目があった。

「おはようございます。お互い、寝坊しましたね」

「ん……?」

「はは。寝ぼけた緩奈も可愛いですね。よしよし眠ってていいよ」

「つむ、ぐ……さん?」

何でこの人が隣にってぼんやりと考えていたら、さああっと昨日の夜が思い浮かんで目が覚める。

「きゃあああああっ」
「うんうん。初々しい反応。あ、違った。初めてでしたもんね」

「紡さん……」

恥ずかしいからその話はしないでほしいて言いたいところだけど、そんなに蕩ける顔をされたら、上手く言葉に出ないじゃないですか。

「あ、飴食べてます?」

「うん。歯磨きとかシャワーとか色々考えたんですが、俺だけさっぱりしたら、駄目かなって。一緒に汗を掻いたのに」

前髪を指先でなぞられて持ち上げられると、露わになった額に口づけが降る。

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