生贄投票
美奈都はもう何時間もベッドの上に寝転がって、いつものようにスマートホンをいじっていた。


携帯依存症なんていう言葉が、この世の中にはあるけれど、まず間違いなく美奈都はこれに該当するだろう。


自分でもそれが分かっているけど、止めることが出来ない。


高校二年生の十月。おそらく日本全国の同学年の者たちが、大学受験を見据えて、勉強に勤しんでいるであろうこの時期。

美奈都だって進学するつもりなのだから、塾の時間以外も勉強をしなければならないと思ってはいる。

でも思ってはいるのに、いつも気が付けば、スマートホンをいじっていた。
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