いい加減な恋のススメ
変わっていく気持ち



もし、あの人が私の人生に現れなかったら、私はもっと別の人生を送れていたのかもしれない。


―――「何処の学校?」










シャー、という水の音で目を覚ますと数回瞬きをして体を起こした。
ボーッとする視界の中で隣を見ると脱け殻のようにあの人の存在は無くなっていた。きっとシャワーでも浴びにいっているのだろう。

カーテンの僅かに空いた隙間から青い光が差し込んでいる。まだかなりの早朝だと思えた。
空気が冷たく、直接肌に当たったので私は布団をかき集めた。

と、


「(何やってんの私ぃいぃいぃい!!)」


昨日の惨事を思い出し、顔を覆わなければやってられない。どうしてあんなことになってしまったんだろう。しかも今度は普通に記憶に残ってあるし。
あ、あの流れとは言え、彼と本当にシちゃうなんて……どうしたの私。

逃げれる暇なんて全然あったのに。


「……」


なのに、何で逃げれなかったんだろう。ここまでついてきて、キスされて、流されて、最後まで。
ただあのとき、彼の側にいないと私の何かが変わってしまいそうで、彼が私の中から消えるのがとてつもなく不安に感じてしまっていた。



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