溺愛モラトリアム 【SPシリーズ新城編】


「当たり前です。同じ班の仲間ですから」

「なんだよ。とうとう俺に惚れてくれたのかと思ったのに」


可愛げのない言い方に、苦笑が返ってきた。

その顔を立った状態で見下ろしていると、彼のまつ毛が思っていた以上に長いことに気づく。


「あの人たち、なんだったんでしょう。さっきの刑事さんによると、逃げられてしまったようですけど」


ぽつりと聞くと、新城さんは私を見上げた。


「さあな。もしかしたら国分親子を狙っている組織のやつらかもしれないけど、わざわざ俺たちSPを狙う理由がわからないな。俺たちを殺したら、他の人間が国分親子の警護につくだけ。親子からSPを奪うわけじゃない」

「マルタイを警護したことへの逆恨みの線は?」


最初に国分議員が襲われたとき、私たちは駐車場で三人のテロリストを征圧し、逮捕している。

パーティー会場でも、派手な乱闘になってしまった。敵が私たちの顔を覚えている可能性はじゅうぶんある。


「恨む気持ちはあるだろうけど、そんな暇があったら、国分親子を襲う方に力を注ぐだろ」


たしかに。


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