私はおやつに含まれますか
私はおやつに含まれますか



今どき、夜行性なんて珍しくないと思う。

どんなにそれが不健康だと説かれても、夜中に営業している店がある限り、そこで働く人間はずっと起きてなければならない。

丑三つ時少し前の訪問。

「おやつ持ってきた」

仕事先の制服のままコンビニ袋をちらつかせる男が一人。

「うん」

「食べようと思う」

「うん」

「一緒に食べよ」

「うん」

「……始発まで入れてください」

私は扉を大きく開けた。
するりと猫のように入ってくる。

実際、猫なんじゃないかと思う。

手土産さえ持っていけばどこにだって泊めて貰える猫だ。


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