フルート吹きの魔法使い

「おい、そう言えば聞いたか?ガリエルの奴休みになると、隠れて誰かに会いに行っているらしいな」

・・・ガリエル?

部下達の話がフランの耳に入る。
フランはさりげなく耳に意識を集中させ、その話を聞く。


「ああ、なんか楽しそうな顔で行く姿を見た、ってあいつが言ってたな」

「気になる女性でも出来たか?」

「・・・じゃないか?休みが近くなると、仕事中でもやけにそわそわしていたしな」



・・・へえ、ガリエルがねぇ。

いつもは意中の人が出来ると私に報告していたのに。

「今度こそ俺から奪うんじゃないぞ」と言う一言を添えて。
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