フルート吹きの魔法使い
フルートを吹いたら出てきました。
部屋の中はいたって普通だった。
ログハウスにあるような木材の家具が置いてあるだけ。

「そこに座りな」

魔女のおばあさんはるりを椅子に座るよう促した。
その言葉に従って、るりは椅子に腰掛ける。

「わしの名前はモール。お前さんは?」

「私は、蔵野るり。るりです」

モールは右の人差し指を立てて、くるくるっと回す。

すると、手も触れていないのに食器棚からカップが、台所からは湯気が出ているポットがふわふわと浮いてやってきて、るりの前でお茶が注がれた。


ま・・・マジック・・・・。



るりは目の前の光景に驚き、口が開いたまま動けなくなる。
モールはそんなるりの姿を見て声を出して笑った。

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