美男子の恋事情!


俺が春川セイラと出会ったのは高校1年の春に遡る。



櫻川高校にスポーツ推薦で入学した俺は、当時テニスに関しては自信に満ち溢れていた。


中学では負けなし。


先輩達を抜いて、中一からレギュラーだった俺は天狗になってたのかもしれない。


シングルスで全国三位になったことだってある。



そんな俺は、もちろん全国区の櫻川でだって一年から一軍メンバーに入ってやると。


一軍に入ることなんて余裕だろうと、甘くみていた。



だけど、現実はそんなに甘くはなかった。


先輩達との実力の差に愕然とした。



これが高校生。


これが全国区の櫻川。



どんなに走って、汗を流して足掻いても、一軍の先輩達には足元にも及ばない。


天狗になった鼻をいとも簡単にへし折られ、俺は初めて挫折を味わった。



“中学ナンバーワンでも所詮中学レベル”


“あんま調子に乗んなよ”



一部の先輩達から浴びせられた言葉に、何も言い返せなかった。




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