美男子の恋事情!


「拓真。お前、昨日何してた?」



翌日の朝、昇降口で俺を待ち構えていた海生に裏庭まで連れてこられると、開口一番に地を這うような声で言われた。



「何って……別に」



いつも無愛想な海生だけど、今日は怒りが満ちた険しい顔をしている。



「別にじゃねぇだろ?何してたか聞いてんだけど」


「なんでそんなの海生に言わなきゃなんねぇの?」



言えるわけねぇし。優奈を置いて女と会ってたなんて。


決してやましいことはしてないけど、待っててくれた優奈を置いてったっていう罪悪感があって、俺を睨む海生から目を逸らした。



「昨日、優奈と会った。一人で駅前歩いてたぞ」


「っっ、」


「あいつ、泣いてたぜ。言ったよな?あいつを悲しませるなって」



海生の声が更に低くなる。


俺が完璧に悪い……だけど。



「海生には関係ない。これは俺と優奈の問題だ」



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