「入って」
「はぃ・・・お邪魔、します」

・・・ずっと憧れている上司のお宅訪問。しかも夜分遅くに!
ああぁ!かなりドッキドキなシチュエーション!

・・・もしこんな状況じゃなければ、だけど。

でも、“ドッキドキ”までは行かなくても、“ドキドキ”しちゃってる。
それとも私、緊張してる?
こんな状況じゃなくても、日田さん宅へお邪魔したのは今夜が初めてだから、どっちにしても緊張するよね。

「なんか・・新しいですね」
「だろうな。ここ、築2年って聞いたし、家具は帰国してから買ったもんがほとんどだからな。茶でも飲むか?」
「えっ?いえ。できたらお水を・・」
「おう。そこ座って」
「あぁでも私します!だってお客様じゃないんだし」

・・・ってちょっと私ーっ!
確かに私はここの「お客」じゃないけど、そういう言い方って何か・・・「一緒に住む」って感じを増長させてるような気が・・・。
それに、飲み物を用意してあげようと思ってくれている日田さんの心遣いを、私は足蹴にしてるんじゃない?

頭の中でゴチャゴチャと考えている私に、日田さんはアッサリと「そうだな」と言った。