同・棲・同・盟!
・・・なんでだろう。
緊張して眠れないと思っていたのに・・・。

日田さんの声聞いたら・・・日田さんのカッコいい顔を見たら、そして日田さんの温かいオーラを身近に感じたら、何か安心して、眠くなってきた・・・。

だからか、「たまたまだと言っただろ」と言う日田さんの声が、少し遠くから聞こえる。
でも、まだ日田さんとこうして・・・向かい合って、おしゃべりしたい。
こんな機会、もう二度とない・・・・・・たぶん。

「そう、でした・・ね・・ぇ、ひださん・・・」
「ん?」
「彼女、いるんです・・・か」
「いないよ。フィリピンに赴任する時別れて以来、誰ともつき合ってない」
「あぁ・・・そ・・・・・・・ぅ」

睡魔に負けた私は、ついに両目をつぶってしまった。

「だから、このベッドや布団や枕を使った女は、おまえが初めてだよ・・・ってやっと寝たか」
「・・・てな・・・・・ぃ」

とかろうじて呟いたけど、日田さんが言ったとおり、私は寝ていた。
それでも、日田さんがクスッと笑った声と、優しく「おやすみ」と囁いた低い声も聞こえたし、日田さんがガサゴソ動いて、また私に背を向けたことも、何となく感じた。

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