「大島」
「ひゃいっ?!」
「・・・“ひゃい”って」と日田さんは呟きながら、クスッと笑っている。

し、しまった。ついまたおマヌケな返事を・・・。

でも、日田さんはすぐ真面目なハンサム顔になると、「不動産屋と話しをした」と言った。

「やっぱり、ですか」
「今回の事情から、後片づけは向こう側が責任もって全てするから、一任してほしいとのことだ。代金もあちら払い。今週中に清掃と片づけをするそうだ。事前に俺に知らせてもらうことになってるが、まだ持って行きたい物があれば、明日中に全部こっちに運ぶ。いいな?」
「あぁ・・・は、い?」
「なぜ語尾が上がる」
「あのぅ、日田さん。アパート、解約って・・・」
「さっき俺が聞いたら頷いたじゃないか」
「・・・あーっ!いやそれはっ!そうじゃなくって!」
「今更言っても遅い。それにあちらサイドも了承済だ」
「・・・え」
「それに、今回は特殊な事情だから、今月の家賃3分の1プラス家賃1ヶ月分を、見舞金として払ってくれるそうだぞ。よかったな」
「あ・・・ぁ。でも私、住むところ・・」
「ここにいればいいじゃないか。さっきも言ったが、俺はおまえが危険だと分かってる所にまた住むのは反対だ」
「うぅ。そうですけどぉ・・・」
「あぁそうだ。おまえ、お兄さんに電話するんだろ?」
「あ?あぁそうだった!」

県外に住んでいる兄夫婦は、うちが火事になってしまったことを知らないと思うけど、少なくとも、私は今、そこに住んでないことくらいは言っておかないと!

私はスマホをオンにすると、兄のところへかけ始めた。

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