モデル姉さんのファンは弟くん
「わたし小さいころから家族が近くにいないと寝れなくて、前に寝れない日が続いてたとき、倒れちゃったことがあるの。それから……「あの時は、本当に涙が止まらなかったんだからね!?」
じゃあこれからも玲蘭にこいつはひっつき続けるってこと?
まあ、別にいいけど。
……けど、モヤモヤする。
「今日はお姉ちゃん、水着の写真だっけ?」
「そうなんだよ、恥ずかしいな。」
「…お姉ちゃん、あんまり色気出しちゃダメだよ?」
「えー?あはは、色気なんて出ないよ。」
「めちゃくちゃ出てるからっ!!」
こいつらは姉弟なんだから、別に仲良いこと珍しいわけでもないし、昨日こいつについてきたきゃ来れば良いって言ったような気がするし。
冷静になって考え直してみろ?俺は遊ぶためのお金のためにここにいるんじゃん。
玲蘭が好かれてようが、好きな人がいようが俺にはどうでもいいこと。
…なのに。
はぁ……。
自分の気持ちをあやふやにしたまま、撮影場所まで向かった。