EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
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†††
「おはよう、僕のプリマドンナ」
意識が戻った時、ニッコリ笑顔の白魔が小鳥の視界いっぱいにドアップで映り込んだ。
「っ!?」
綺麗な笑顔があまりにも近い位置にあったせいで、思わず布団を顔まで引き上げ隠れてしまった小鳥。
(あれ?布団…?)
そういえば、荒れた教会で倒れたのではなかったか。
(ここは…?)
潜っていた布団からそっと顔を出す。
すると不満げな白魔の顔が更に近くまで迫っていた。
「は、白魔さん!近いです!」
「小鳥が逃げるからでしょ。どうして僕の顔を見るなり隠れるのさ」
「そ、れは…」
至近距離の綺麗な顔にビビった、という本音を小鳥が言おうかどうしようか悩んでいると、白魔の顔がスッと離れた。
「まあいいや。とりあえず、安心したよ。君が起きてくれて。身体は大丈夫?」
「あ、はい」
上体を起こすと、ここが白魔の部屋だとわかった。
小鳥は彼の柩で寝ていたようだ。