EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】


†††


 小気味良いノックの音が小鳥を浅い眠りから引き上げる。

「失礼致します。大旦那様が食事をご一緒なさりたいとのことです」

「大旦那様ってことは…ダンクラート様か。わかった。食堂に行けばいいの?」

「はい。私がご案内致します」

「なら支度が終わるまで待ってて。まだ僕のプリマドンナが夢の中だからさ」

「かしこまりました」

パタンと扉が閉まる音がした時、会話も止んだ。


(エマさんの声だった…)


もう起きる時間なのだろうか。

目を開けて身体を起こすと、着替え中の白魔が視界に入った。

「おはよう、僕の眠り姫」

シャツのボタンを留めながら爽やかスマイル。

何気ない光景なのだが、白魔だと様になるのでドキッとしてしまう。


(ううっ…カッコイイ…)


寝起き早々、小鳥が赤くなっていると、白魔がクローゼットから白のロングワンピースを取り出した。


< 110 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop