EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
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まだ来たばかりの客人だが、もう帰ればいいのにと思わずにはいられない。
翌日の白魔はランベルトの顔を見るたび「帰れ」と口に出していた。
「いつからそんなツンデレ技を身につけたんだい?昔のキミはワタシに会うと嬉しそうに頬を染めて――」
「黙れ。帰れ。どっか行け」
たまたま出くわした廊下にて、冷めた眼差しを送る。
白魔の隣で見ていた小鳥はおろおろしつつ二人を見守った。
「またまた辛口な愛情表現だね。それもまたデリシャスだがそれよりも!ねえ、今日ひま~?お兄さんと一緒に遊ばなーい?」
「下手なナンパしないでよ。気持ち悪い。そもそも君は何しに日本に来たのか忘れたの?」
「色々あるさ。けれど真実は一つ!ホワイト・デビルに会いた――」
「血を買いに来たんだよね?試飲させてあげるからブラッディーセラーに来なよ。そしてカネ払ってとっとと帰れ」
ランベルトの服を掴んでズルズルと引きずっていく白魔。
「わーい!お家デートだ~!」
「うるさい。あ、そうだ」
白魔はちょっと立ち止まると、顔だけ振り返って小鳥を見た。
「というわけで、僕のプリマドンナ。今日は食糧庫の方に行ってるから」
「はい、わかりました」
客であるランベルトの扱いが雑だが、ちゃんと商売はするようだ。
小鳥は微笑んで見送った。