EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】


†††


 まだ来たばかりの客人だが、もう帰ればいいのにと思わずにはいられない。

翌日の白魔はランベルトの顔を見るたび「帰れ」と口に出していた。

「いつからそんなツンデレ技を身につけたんだい?昔のキミはワタシに会うと嬉しそうに頬を染めて――」

「黙れ。帰れ。どっか行け」

たまたま出くわした廊下にて、冷めた眼差しを送る。

白魔の隣で見ていた小鳥はおろおろしつつ二人を見守った。

「またまた辛口な愛情表現だね。それもまたデリシャスだがそれよりも!ねえ、今日ひま~?お兄さんと一緒に遊ばなーい?」

「下手なナンパしないでよ。気持ち悪い。そもそも君は何しに日本に来たのか忘れたの?」

「色々あるさ。けれど真実は一つ!ホワイト・デビルに会いた――」

「血を買いに来たんだよね?試飲させてあげるからブラッディーセラーに来なよ。そしてカネ払ってとっとと帰れ」

ランベルトの服を掴んでズルズルと引きずっていく白魔。

「わーい!お家デートだ~!」

「うるさい。あ、そうだ」

白魔はちょっと立ち止まると、顔だけ振り返って小鳥を見た。

「というわけで、僕のプリマドンナ。今日は食糧庫の方に行ってるから」

「はい、わかりました」

客であるランベルトの扱いが雑だが、ちゃんと商売はするようだ。

小鳥は微笑んで見送った。





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