俺のSPはくの一女子高校生
第1章 俺のSPであり幼なじみ

*最強SP



カツンカツンと、コンクリートの床を歩く足音がした。

そしてヒソヒソと話す複数の男たちの話し声もする。

ゆっくりと瞼を開けば、電気が一つしかない薄暗い部屋と、その部屋にいる5人の黒いスーツを着た強面の男。そして椅子にふんぞり返って煙草を吸うボスらしき男の姿が見えた。

夏の蒸し暑い空気が籠ってる部屋なのに、よくスーツ姿でいられるもんだ。

身体を動かそうとした。でも、両手足首はガッチリと縄で縛られていて、声が出せないように口にはガムテープが貼られていた。

今の状況を総合的に判断して。

なるほど、俺は誘拐されたのか。

と思った。


「お目覚めですか?月神一家10代目、月神 朔夜(ツキガミ サクヤ)殿」


目を覚ました俺に気付いたボスが近づいてくる。

……にしても、見覚えがある顔だな。どこだっけか。


「俺のこと覚えてるか?」


すまんな。見たことがある程度にしか覚えてない。
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