新選組と最強子供剣士
土方さんって優しい人なんだな。


「ひ、土方さんは何しにきたの?」


「茶だ。仕事が一息ついたから飲みにきた」


あ、新選組の机仕事って殆ど土方さんがやってるんだっけ。


目の下にはうっすらくまが出来ている。


「じゃあ、僕がいれる!」


「は?」


「僕、土方さんのお小姓だもん!」


そう言って湯のみを取り出しす。


お湯を作り、お茶を作った。


あ、茶柱がたってる。


「はい!出来上がり~!」


出来たお茶を土方さんに渡す。


土方さんはそれをしばらく見つめ、飲んだ。


感想を聞きたくて、目を土方さんに向ける。


「‥‥‥‥うまい」


その一言で、僕は笑顔になった。


「お前、そんな顔もできるんだな」


また土方さんが、僕の頭に手をのせた。


そういえば、こんなふうに心から嬉しいと笑うのは久しぶりだ。


「また、頼む」


「うん!」


土方さんが台所を出て行くと、僕は湯のみを洗って大人しく部屋に戻った。


布団は‥‥‥‥1つしかない。


これって、藤堂さんのだよね?


‥‥‥‥畳の上でいっか。


クウちゃんを抱きしめて、僕は久しぶりに安心して深い眠りについた。
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