裏ギフト
ギフト
その日は家に帰ってからも幸せな気分で満たされていた。


永遠と一緒の帰り道。


永遠はバスケ部の話を熱心にしていて、あたしはそれに耳を傾けていた。


「今度の試合はいつ? 応援しに行くね」


あたしがそう言うと、永遠は嬉しそうに笑って「サンキュ」と、言ってくれた。


どこからどう見てもカップルだったと思う。


あたしと永遠の距離はそれほどまでに近い。


誰よりも近い。


結香さえ、いなければ。


あたしは結香の照れた顔を思い出し、歯ぎしりをした。


あんなぶりっ子女のどこがいいんだろう。


あからさまな悲鳴なんて上げて、バカみたい。


ミミズやカエルくらいそこら中にいるのに。


あたしは指先でミミズを潰した時の感触を思い出していた。


あんなふうに結香を潰す事ができたら、どれだけ爽快だろう。


そんな事を思って、1人ワクワクしていたのだった。
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