裏ギフト
化けの皮
あたしたちが送り主のわからないプレゼントについて会話をしていると、結香が教室に入って来た。


「結香、おはよう！」


つぐみが手をふってそう言う。


「おはよう」


結香は少しひきつったような笑顔を浮かべた。


心なしか、顔色が悪い。


「どうしたの、気分でも悪い？」


初が心配そうにそうたずねると、結香は小さく首をふって「大丈夫」とだけ、返事をした。


そしてそのままあたしたちの輪に入る事なく、自分の席に座った。


「どうしたんだろうね、結香」


つぐみがそう聞いてくる。


それはね、下駄箱の中に大量の虫を突っ込まれたから精神的に参ってるんだよ。


心の中でそう返事をして、「風邪気味なんじゃない？」と、言った。
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