裏ギフト
好きな人
ひなたと空君と一緒に映画を見た翌日は、土曜日だった。


昨日の金曜日は旗日で全国的にお休みの日。


今日午前中だけ頑張ればまた日曜日。


どうせなら今日もお休みにしてくれればよかったのに……。


そんな重たい体を叩き起こして、あたしはいつもの制服に着替えた。


濃いグリーンのスカートに、半そでのブラウス。


胸元にはグリーンのリボン。


これが、あたしの通っている長谷高校の夏服だ。


ひなたと空君が通っている笠原高校は、茶色のスカートに茶色のネクタイだ。


どちらも可愛いと人気のある制服だ。


あたしはあくびをかみ殺しながらリビングのドアを開けた。


「おはよう侑理」


ちょうど朝食を作り終えたお母さんがそう声をかけてくる。


「おはよ……」


キチンと用意されている朝ご飯を見て顔をしかめるあたし。
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