今日も上からものを言う。
第四章*
すぐに気づいたよ。
「え、何でいるの?」
「どうせ暇でしょ」
「暇っちゃ暇だけど……え?」
今の状況を飲み込めない。
だって、なぜか私の目の前には永瀬くんがいるから。
今日は文化祭の振り替えで休み。
の、はずなのに永瀬くんが今目の前にいる。
「先輩が僕に会いたいかなって思って来てあげた」
確かに会いたいとは思うけど、会いたくもなかったよ。
だってこうやって顔を合わせたら。
「先輩?」
永瀬くんの唇ばかりを見てしまう。