狐と嫁と溺愛と
初デート
3



自分の部屋でドキドキしながら待つこと数十分、ノックされてドアを開けた。



ハーフアップに結ばれた髪と、黒い細身のパンツ。



白のシャツに、紺色のニットを合わせてる。



結構カジュアルだ。




何着ても似合うんだろうな…。



「シャツ、お揃いにしてみた」



なんて、イケメンスマイルぶちかまされたら倒れそうになる。



かっこよすぎるよ、この人…。



「もう出れる?」

「だ、大丈夫ですっ‼︎」

「よし、行こうか」



今日ずっとドキドキして過ごさなきゃいけないのかな…。



ふたりで乗ったエレベーターで、思い出したかのようにあたしを見る彼。



「これ、ナナちゃんに似合うと思うんだ」



そう言って渡されたのは、小さなビンに入ってる液体。



これって…香水?



「どこでもいいから着けてごらん」



香水なんて初めて…。



こういうものとは無縁だと思ってたし…。



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