鬼姫伝説Ⅲ

捕らわれの鬼




こっちの世界に来て、もう3日が経った。
帰れる気配は一向にない。




「そういえば、二人はどこから来たの?少し変わった着物を着てるけど」

「あ、これ浴衣です。・・・これしか持ってなくて」

「ちょっと遠いところからで。帰る方法がなくて・・・」



琉鬼さんの質問に二人で答える。
未来から来ました、なんて言えないしね。




「へえ。着物か・・・。俺が何か用意してあげるよ」

「え、いいんですか?」

「うん。・・・あ、そうだ。一着だけすぐに用意できるのがあるんだ」




思い立ったように琉鬼さんがそう言って立ち上がると小屋の中に入っていった。
少しして戻ってきた琉鬼さんの手には、薄桃色の可愛い着物。




「これ。由羅ちゃんにあげるよ」

「え、いいんですか?」

「うん。でも、これ一度破れて縫い合わせたりしてるけど。それでもいい?」

「いいです!ありがとうございます!」




さっそく着替えさせてもらうことにした私は小屋を借りる。
ていうか、私、着物着れない!




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