【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
*私は琉衣くんのモノじゃない

「はぁ…」



日に日にため息ばかりになる毎日。


今日も教室はテストモードだった。


みんな黙々と自習をしてる。


私はぼんやりと自分の指先を眺めて、見るたび痛みが蘇るのだった。



昨日できた中指の傷は、まだ痛い。


朝は手袋で仕事した。



琉衣くんはなぜかやたらと私の怪我を心配してくれたけど、私は素直に喜べなかった。


優しくされると胸が痛くて。


沙良さんが大事なら、私に構わないでなんて。


そんなことを思ってしまった。



私は結局その後も琉衣くんの顔をまともに見れなくて、

なんとなくよそよそしい態度が続いてしまっている。


テスト期間の今週は放課後ほとんどお店に出なくていいのである意味ほっとしていた。


顔を合わせたら辛くなるから。


あの二人をもう見ていたくない。


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