お姫様になりたくて
千姫様

「…姫様…、…姫様…、千姫様!」


「…はいっ!」


私は、誰かの呼ぶ声で目をあけ、
返事をした。


「何を、大きいお声を出してお出でです!」


だっ、誰っ!?
私の目の前に座っている着物の人は…
…誰!??

それに、、、千姫様って!??
私のこと!!?



あまりの衝撃に声もでない!!
口があいたまま、その人の顔を
ジィーと、見てしまう。


「姫様…、はしたない!…お口があいてございます!」


「はいっ!すみません…!」


咄嗟に口を閉じ、すぐ謝った。


そして、恐る恐る、目の前の人に聞いてみる。


「あの…、あなたはどちら様ですか?…」


その人は、「まあーー!」と、言葉を発し、目を大きく見開いたあと、前に倒れ込み、顔を伏せたまま突然、泣き出してしまった。


「…姫様、、、このわたくしをお忘れとは…わたくしが分からないのですか?…」


「あ、あの…」


忘れるも何も、私はあなたを知らない…
それよりも、この状況が分からない…!


ここはどこーーーー!!!
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