許されるなら‥‥もう一度

病院につくと、一美が泣きながら
抱きついてきた。

あ‥‥昔の一美のにおいだ。
思わず抱き締め返していた。


「はっ」
と、思い。
「息子は、大丈夫なのか?」
と、確認すると

病室へ案内され
「足と手の骨折で、済んだの。」
と、言われてホッとした。


一美の母親は、あれからすぐに亡くなり
一美は、仕事先の男性と知り合い
傷心だった一美に寄り添い
一美を大切にしてくれたらしく

その人と結婚して、凌馬が産まれた。
だか、そのご主人は、
会社での事故に巻き込まれて
亡くなったと。


それからは、
一美が一人で
凌馬君を育てていると。



「一輝、凌馬の固定が外れて
歩けるようになるまで、
一緒にいてくれない?」
と、一美に頼まれた。


償いしたいと思っていた、
俺は、なにも考えずに了承した。

「今日は、一度帰り、
     明日から来る。」
と、告げて凌の元に帰った。

凌なら、わかってくれると思いながら‥
身勝手な思いだとも気づかずに。


家に着くと‥‥‥
凌は、起きて待っていてくれた。

凌に全てを話し
「謝罪をしたい。
凌馬君が、落ち着くまで
手伝ってあげたい。」
と、言った。

凌は、
「一輝さんの
思うようにして下さい。」
と、言ってくれた。

俺は、贖罪から逃れることができる
嬉しさからか
凌の目になにも映っていなかったことに
気づかなかった。


その夜、高揚していた俺は、嫌がる凌を
なんども、なんども
欲が果てるまで抱いた。


凌が、
泣いている事も·····気づかず····に·····

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