空っぽのイヤホン(仮)
「沙代ー。」

授業が終わって
私は幼馴染の安達沙代(あだちさよ)に声をかけた。

「この時間、体育でグラウンド使ってたのってどこのクラス?」

「ああ、あれ2年生だよ。
弟が1時間目から体育だーって言ってたし
運動靴出してたから。」

「2年何組だっけ?」

「4組だけど…
なしたの、みっこ。」

美紀子(みきこ)という私の名前を
みんな『みっこ』と呼ぶ。

「ううん、なんもしない。」

私が笑うと、沙代は「そっか」と言って
それ以上深く聞いてこなかった。
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