完璧男子の憂鬱。
あいつとの出会い

これは俺が小学生の時の話。








頭も良く、顔もイケメン、
家柄も良い完璧男子。



周りの俺への評価はこんな感じ。

まぁ、否定しねぇけど。





もちろん女に困ったことはないし、
スポーツのだいたいは そつなくこなす。
むしろ俺の方が部活やってる奴らより
上手いくらい。



いわゆる完璧ってやつ。




「おい、悠!サッカーしようぜ!」


「ダメダメ、俺と野球!お前居ると絶対勝てるからさ!」


「ちょっと男子!悠くん取らないで!今日は私達とお話しするんだから!」





放課後はだいたい、こんな感じで色々な事に誘われる。

だから正直、暇な時って少ないんだよね。


でも、



「悪い、俺 塾あるから またな!」



そう、俺はエリートだから、遊んでばかりもいられない。
中学受験も控えてるしな。



「なんだよ悠、付き合い悪りーな!」


「悠くんこの前もテスト満点だったよね〜!かっこよすぎ!」



なんて言葉も聞き流しながら颯爽と帰る。
俺はお前らとは違うんだよ。




そう、
俺は王子なんだ。
選ばれた人間。

誰もが俺を羨む。
天下は俺のもんだ。






なーんて、この頃の俺は思っていたんだ。

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