愛す程、狂ってく
三、7年ぶりの再会と距離

願っていた再会



〈冬斗視点〉


中学校の制服を着てカバンを持って外に出る。
桜の花びらが鬱陶しい。

いつからだろう…

昔はそんな事思わなかったのに…

鬱陶しいとか面倒くさいとか疲れたとか……

…………………



??「冬斗!」



聞き覚えのあるようで…でも初めてのような…そんな声が俺を呼び止める。


声が聞えた後を振り返る。



??「久し振りだね。元気にしてた?」




そこに居たのは7年前に行ってしまった奴が居た。少し大人びてるけど…



冬斗「……夏希…?」

夏希「そうだよ。ごめんね、遅くなって…私ね、冬斗と同じ学校に通うの。よろしくね。」



……俺があの時言った言葉を忘れたのか…?



夏希「冬斗…?」

冬斗「……なんで…?」

夏希「え?」

冬斗「なんで俺に話しかけた?なんで近づいてくんの?なんで…なんで戻って来たの…!?……昔仲良かったから?やめろ…構うな!!離れろ!!あっちいけ!!」

夏希「………」



もう戻れない程狂っていた。


…もう此処には昔の俺は居ないんだ……

…夏希が大好きって言ってくれた俺はいないんだよ…………

……ゴメン…そう言いたいのに…………




夏希「冬斗に会いたかったから………………"ダイキライ"って言われたけど………私は好きで………会いたかったから………ッ………」



夏希の声が震えてく…………



夏希「ッごめんねっ…バイバイッ…………!!」



そう言って学校の方へ走って行った。


…夏希の前だけでも素直になれれば………

俺だって狂わなくてすんだんだ…

夏希を泣かせずにすんだんだ…

仲良かった昔に……戻れたんだ……



俺と夏希の間の歯車がどんどん狂ってく



< 12 / 38 >

この作品をシェア

pagetop