能あるイケメンは羽目を外す
4、問題発生 ー 陽斗side
「楓‼」

意識を失った楓を抱き止めると、彼女をすぐに床に寝かせた。

ブラウスのボタンを二つ外して楽にしてやると、楓の呼吸が落ち着いてきて真っ青だった顔色も少し赤みがさす。

貧血かそれとも低血糖で倒れたのか……。

救急車を呼ぶほどではないだろう。

楓の顔色を見てホッと一息着くと、黒い制服を来た女性の店員が水を持って現れた。

「あっ‼お連れの方大丈夫ですか?」

心配顔で聞いてくる店員を安心させるように、俺はニコッと微笑む。

「少し休ませれば大丈夫だと思う。濡れたタオル持って来てくれないかな?」

「はい」

店員が少し慌てた様子で部屋を出て行くと、楓の頬にそっと触れた。

多分……昨日からろくに食事もしていないんじゃないだろうか?
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