Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜

7 新生活




 離任式の後の送別会が終わり、二次会、三次会と渡り歩いたみのりと澄子が、みのりのアパートへと帰り着いたのは、日付が変わって午前2時ごろだった。

 離任する澄子は、花束やお餞別などの大荷物を抱えて、居間へとへたり込んだ。みのりは帰ってくるなり、浴室に向かい、タオルなどを出して入るための準備をしている。


「ほら、澄ちゃん。座りこんじゃうと、動くのがしんどくなるよ。さあ、お風呂、先に入って。お酒飲んでるから、シャワーだけにしようね。」


と、疲れてもう眠そうな澄子を浴室へ連れていく。
 澄子がシャワーを浴びている間、みのりは簡単に澄子の荷物の整理をして、甲斐甲斐しく布団の準備をした。そして、送別会用の少し改まった洋服を脱いで、楽な服に着替える。

 何かしていないと、今にも心の堰が切れて、その中に滅茶苦茶に突っ込まれている様々な感情が暴れ出してきそうだった。


「ああ、さっぱりした。お先に、ありがとね~。」


 シャワーを浴びて出てきた澄子は、もうかなり眠そうだ。


「澄ちゃん、化粧品、自由に使ってね。それと、もう先に寝ててもいいからね。」


 みのりはそう言いながら、澄子と入れ替わりで浴室に向かった。


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