桜の花びらの記憶
 ある日、文化祭の準備で学校を出るのが遅くなり、帰りの電車がいつもより二本遅い電車だった。

 お兄ちゃんの高校がある駅で止まった時、お兄ちゃんが乗ってくる姿が見えた。

 私はうれしくなって、人をかき分けてお兄ちゃんのそばに行った。

「お兄ちゃん!」

「由梨、何だよこんなに遅い時間に。いつももっと早い電車だろ?」

「うん、文化祭の準備でね。お兄ちゃんいつもこの時間なんだ。私もこれからこの時間に帰ろうかな~」

「ダメだよ、こんな遅い時間。真っ暗じゃねえか。お前はもっと早く帰れるんだから、早く帰れ」

「はあ~い」

 また心配してもらっちゃったと浮かれていると、お兄ちゃんの後ろから女の人が出てきた。

「なあに?仲良しね、ちょっと妬けちゃうな」

「バカ、妹だよ」
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