カタブツ上司に迫られまして。
十七日深夜から
*****



気がついたら暑苦しかった。

目を開けると見知らぬ場所……ではなくて、暗闇に慣れてくると、私がいつも使っている部屋だと気がついた。

……喉がカラカラするし、身体が重だるいし、汗をかいてベトベトする。

えーと。確か原本さんにご飯に誘われて、課長が来て、それから……どうしたんだろ。

一応、しっかり布団に寝ているけれども……。

とりあえず、お水飲みたい。

起き上がって、スーツのまま寝ていたことに気がついて着替える。

しわしわになっちゃったけど……クリーニングに出しちゃおう。

それから部屋を出て、風鈴の音に気がついた。

縁側のサッシが開いているのかな?

そう思って廊下を覗くと、ぼんやり座っている課長に気がついた。

「課長……?」

課長は振り返り、それから片方の眉を上げる。

「起きたか?」

「はい。あの……ご迷惑、お掛けしたみたいで……」

「最初のに比べたら、大して迷惑でもねぇよ」

課長は立ち上がって居間に戻ると、コンビニ袋を開いた。

居間のテーブルの上に、缶ビールとコンビニで買ったらしいおつまみの残骸が見える。それを課長は片付け始めた。

「飲んでいたんですか?」

「さっきまで原本がいたからな」

ああ。そうなんだ。

「お前はどうした?」

「えーと。喉が渇いて……」

「あー。飲みすぎた後は乾くからなぁ」

……飲みすぎたのかな?

キッチンに向かい、グラスを取り出すと、冷蔵庫から麦茶の入ったボトルを取り出して注いだ。

「鳴海。俺にも」

言われて振り返ると、キッチンの入口に課長が立っていた。

「どうぞ」

持ったままのグラスを渡して、新しくグラスを取り出すとまた麦茶を注いで、飲みながら冷蔵庫にボトルをしまうと居間に向かう。

……なんだろう。気のせいかも知れないけれど、空気がピリピリしている気がするんだけど。

「鳴海。酔いは醒めたか?」

「え。はい。だるいくらいです」

「なら座れ」

静かに言われてドキドキした。

これは何がですか? 私……叱られそう?
< 71 / 80 >

この作品をシェア

pagetop