新しい脚本が決まるまでは、演劇部は実質的にはオフだ。放課後は部員全員で基礎練習をした後は自由解散。その日のメンツで候補になってる脚本を読んだり、練習本を試したり、ダンスの練習をする事もある。俺は図書室に籠もり脚本を書く。

 時間はまだあるとはいえ、脚本の進行は芳しくなかった。練習の日程を考えれば、脚本は早く完成するにこしたことはない。役者は高校生だ。十分な練習なしでは舞台にならない。だが、どうもそれぞれの人物の動きが悪い。

 物語は二人の高校生を軸に進む。二人は様々な人と会話をしながら、世界をさまよう。ガリ勉のクラスメイト、神待ちの少女、引きこもる男。そして、普通と言われる人々の普通でない言動。さまよう間に二人の間にも温度差が生じる。人の社会的な成長がテーマだ。筋はほとんどかけているのだが、台詞がどうもよくない。薄っぺらいし、ノリが悪いのだ。あとは、役者と相談すればなんとかなるのかな、、、しかし、まず採用されない事には。

 今日も放課後の部室で全員で発生練習や柔軟体操などの基礎練習が始まった。裏方も一緒にやるのは、端役で舞台に立つ事もあるからだ。逆に役のつかなかった役者は裏を手伝う。高校の部活動なのだから、当たり前の事だった。
 基礎練習が終わると、俺は主だった先輩達に第1稿を見せた。おおむね好評で、先輩達はそれぞれ当たり障りのない感想を述べた。俺は未完成であることを強調したが、そろそろ部全体で討議してみようということになった。