甘い恋の賞味期限
優しさのコーンスープ
*****

 翌日、千世のスマホにメールが届いた。差出人は、千紘。

「元気になった、って……」

 どうやら、退院もしたようだ。今はマンションで、大人しくしていることだろう。

「…………」

 元気になったのはいいのだが、メールの内容が引っかかる。

【こんど、うちにしょうたいするぞ!】

 うちーーそれは、即ち専務のお宅と言うことだ。千紘には悪いが、専務のお宅にお邪魔したくはない。
 でも、千紘に他意はないのだ。友達を自分の家に招待したい、その一心。

「千世ちゃん、何してるの? ずっとスマホ見て」

「例のプリン男?」

 愛菜と心晴の登場に、千世はスマホをポケットに仕舞う。既に昼食は食べ終えており、後は昼休みが終わるまでゆっくりするだけだ。

「はい、あんたの分のお茶」

「ありがと」

 ペットボトルのお茶を受け取り、フタを開ける。
 その瞬間、総務部の先輩、聡太が千世を見つけて駆け寄ってきた。

「よかった、ここにいて」

「どうかしたんですか?」

 なんだか、急いでいるように見える。

「槙村さん、呼び出されたんだよ。専務に」

「…………」

 千世の表情が険しくなる。
 こんなにも早く、面倒事が舞い込むとは。

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