Crystal Sky 〜お姫様は、魔法使いに恋をする。〜

☆魔法使いに会った日





胸のドキドキ…やまない…


暑いからじゃないのは
自分でも、わかってる…




ジッと見てたら
"ん?"って魔法使いは 顔をあげて
汗で濡れた前髪、かきあげながら


なんか… すっごく綺麗に
だけど男…男っぽい?感じで
パッと 目が動いて、にこ って、笑った…


死ぬ…




「兄ち、東京からきなさったと?」


「はい」


「おなまえは?」


「真木 空哉と言います」


「そげんかぁ
兄ち、ご飯、食べるか?」


「いいんですか?」


「よかよぉ
嬢ちゃんも、食べるか?」




かっぽう着の裾を押さえ、ゆっくりと
膝から立ち上がったおばあちゃん


もう台所に 歩いて行っちゃったけど
その背中に向かって、一回 頷く



「メシ、食ってなかったのか」




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