イジワル上司の甘い求愛
戻りたいよ、太郎さん
「どうして2人きりなんですか?」

「どうしてって、大岩さんが来れなくなったって話を受けたのはチャキの方だろう?」

口を尖らせた私に浦島さんは困った顔して、短くなった煙草を灰皿に押し付ける。

あぁ、こんな日に2人きりだなんて。



『有瀬さん、申し訳ない。ちょっと仕事でトラブルが発生して、すぐに現場に向かわないといけないんです。僕も浦島さんや有瀬さんとの食事を楽しみにしていたんですが、本当に申し訳ない』

大岩さんから連絡があったのは、定時を少し過ぎて帰り支度を始めていた時間帯。
電話越しに大岩さんが息を切らして慌ただしい様子が伝わってくる。


「いえ、気にしないでください。来週の打ち上げ楽しみにしています」

『ありがとう。今夜は浦島さんと2人きりで楽しんで』

大岩さんはそれだけを冗談めかして伝えると、忙しい様子で電話を切ったんだった。


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