気になる!
「でも、有り難う。カッコ良かったね。」


その場を取り繕う様に美鶴は慌てて言った。


「…はぁ?」


突拍子もないことを言われ、凌は面食らった。
しまった、と美鶴は思ったが続けた。


「いやあの、助け船出してくれて!
クラス委員決める時、自分で 立候補してた
でしょ。あの時も凄いなって思ったのを思
い出した。」


「…。」


うわ、変な事言ったから、リアクションに困っ
てる…。
美鶴は心にも無いことを言ったのではないかと
思われてしまった気がして後悔した。


「…な、なぁ。これ借りていい?」


…まさか照れてる?
美鶴は凌の表情をうかがったが、何時もと変わらない表情がそこにはあった。
何だ。気のせいか。


「え、それ新刊だよ。」

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