<BL>   お前は俺のものだ。

悪魔が来る

 
「じゃぁ、行ってきます」


「パパ、いっちゃダメ」



慶が、凛兄の腕を引っ張った。



「慶、困らせちゃ駄目だよ」



輝が慶を止めた。



「なるべく早く戻ってくるから」



慶は、寂しそうに頷いた。



「悠真と航大君もじゃあね。
悠真、体に気を付けるんだよ」


「分かってる」


「凛様、いってらっしゃいませ」


「行ってきます」



今日から、二、三週間。


仕事で凛兄がいなくて、寂しい。



「凛様がいなくて寂しいのですか?」


「そんなこと」



航大の方に向かされて、耳元で……。



「私がいるじゃないですか。
私ではご不満ですか?」


「そんなこと、ない」



こいつは、心臓に悪いことをしてくる。




でも、そのあと、
もっと嫌なことが起こるなんて思わなかった。







      数日後


「悠真様、おはよう御座います」


「航大、おはよう」



まだ、眠い。


航大がキスをしてきた。



「お前、何を!」


「お目覚めになりましたか」


「だからって」



顔が熱くなった。



「照れてて、可愛いです」



仕返しに航大にキスをした。



「悠真様、積極的ですね」


「うるさい、俺だってやるときはやるんだからな」


「悠真様が、私を襲うと言うことですか?」


「あー、そうだ」


「楽しみに、お待ち申し上げます」


「フフッ」

「フフッ」



航大を抱き締めた。

幸せだ、愛されてる。



「どうしたんですか。
今日は、一段と甘えん坊ですね」


「俺がいつも甘えてるみたいに言うな」


「フフッ、悠真様」



いつも無表情な航大の笑顔は、
凄く凄く好きなところ。

航大に抱き締められていると落ち着く。



そんなとき、悪魔がやって来た。



「お前たち、何をしている」



「父上」


「旦那様」


< 11 / 21 >

この作品をシェア

pagetop