未来の1/fragment
EP:009 家庭内カースト




翌日AM8:15


校門の前に一台の黒塗りの車が止まった。後ろの後部座席から出てきたのは、あの丸林だった。



「行ってらっしゃいませ」



運転手がそう丸林に告げ、「あぁ」と一言空返事をしてドアを閉めた。


丸林はその足で校門を通過し、大きなあくびをしながら歩くその後ろ姿を見かけた担任の西岡が駆け足で近く。


隣に並んで丸林の肩をトントンと叩き、横を振り向いた丸林は笑顔の西岡と目が合った。



「おはよう」


「うっす」



担任の先生相手に軽い返事をする丸林は、相変わらずのようだ。


そんな西岡は、丸林の身の回りを見渡して不審に思い始め、丸林も西岡を不思議そうに見る。



「何ですか?」



丸林の眉間にはシワが寄る。




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