bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「まぁ、お幸せに。」


水曜日の昼休み、化粧室でメイクを直しながら、小さくため息をついた。


結局、週末は唯野主任となんだか気まずい空気のまま家に帰り、この2日間はいつもと同じように仕事している。

いつもと同じことが幸いなのか不幸なのか、あれっきりほとんどしゃべることも出来ずにいる。

 


今日は家に行って、謝ろうかな

早く仲直りしなきゃ。

 


そう思いながら、リップを塗り直した。



「安藤さん、お疲れ様」


同じようにメイク直しに入ってきたエリカ先輩が私の隣で声をかけた。



「お疲れ様です」

メイク直しなんて必要ない程に綺麗に整ったエリカ先輩の横顔を横目で見ながら、リップをポーチに片付け、私は化粧室を後にしようとして、ドアに手をかけた時だった。

 

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