目なし女の消えない呪い
暗闇の洞窟の中へ
〈 早く目なし女のところに行かなくちゃ。

弥生の殺人予告が実行される前に……。

お願い、ほんの少しの間だけでいい。

時間よ、止まって! 〉




美月は懐中電灯を片手に、全力で走った。




自分が目なし女を見つけ、自分の瞳を目なし女に差し出したとき、目なし女の呪いは解けるはずだった。




美月は息を切らし、大粒の汗を流していたが、それでも走ることを止めることができなかった。




〈 弥生、待っててね。

私はあなたを決して殺させたりはしない。

私は弥生を守るわ。

絶対に! 〉




美月は外灯一つない学校の裏山に足を踏み入れた。




美月は誰もいない闇に包まれた裏山に立つと、心細くて、不安になった。




闇は美月の視界を奪い、美月の瞳にそっと目隠しをしてくる。




美月は懐中電灯の明かりだけを手がかりに、草が生い茂る学校の裏山を歩いていた。
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