目なし女の消えない呪い
果たして呪いは解けるのか?
ハッキリと聞こえてきた目なし女の声を頼りに、美月は洞窟の暗闇の奥へと進んでいった。




美月はもう、自分が洞窟のどの辺りにいるのかわからなかった。




美月が頼りにしているのは、目なし女が自分を呼ぶ声と懐中電灯のわずかな光だった。




美月は、真っ暗な洞窟の中を歩きながら、不安な気持ちでいっぱいだった。




〈 もう私には、帰り道がわからない。

もしも、この洞窟の暗闇の中で、懐中電灯の明かりが、消えてしまったならば、私はもうどうしていいかわからない…… 〉




美月はそう思ったあとに、自分のマイナスな感情を否定した。




〈 元々、私には、引き返す道なんてないんだわ。

私はこの洞窟の一番奥まで行き、目なし女を見つけるの。

そしてそこで、私は自分の瞳を目なし女に捧げるの。

それが目なし女の呪いを解くたった一つの方法だから…… 〉
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